パイオニア環境分析4(2019/12/26〜27)〜多種多様な赤単達〜
年末のドタバタで公開の時機を逸してしまったが、せっかく書いたので掲載。
目次
成績一覧
▼12/26実施
・5-0
赤単ミッドレンジ
・4-1
黒単アグロ
黒単ミッドレンジ
赤単アグロ(タッチ《ボロスの魔除け》)
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ(タッチ黒)
赤単ミッドレンジ(タッチ黒)
緑単アグロ
緑単ランプ
オルゾフミッドレンジ
ジェスカイフレンズ
・3-2
黒単アグロ
黒単ゾンビ
赤単アグロ(タッチ黒)
赤単ミッドレンジ
緑単ランプ
緑単ランプ
緑単ランプ
ディミーアコントロール
イゼットフェニックス
ゴルガリ昂揚
ゴルガリ昂揚
ゴルガリ鱗
バントカンパニー
ティムルール霊気池
スゥルタイかまど霊気池
▼12/27実施
・5-0
赤単アグロ
赤単ミッドレンジ
・4-1
黒単アグロ
黒単アグロ
赤単アグロ(タッチ《ボロスの魔除け》)
赤単アグロ(タッチ黒)
緑単信心
オルゾフゾンビラリー
セレズニアトークン
ラクドスアグロ
スゥルタイドレッジ
ロータスコンボ
・3-2
白単人間
赤単アグロ(タッチ《ボロスの魔除け》)
赤単アグロ(タッチ黒)
黒単アグロ
緑単アグロ
緑単ランプ
緑単ランプ
緑単ランプ
セレズニアトークン
ディミーアコントロール
イゼットフェニックス
イゼットフェニックス
ゴルガリ魂剥ぎ
ゴルガリ鱗
グルールアグロ
ジェスカイフレンズ
ティムルー霊気池
ティムール霊気池
スゥルタイかまど霊気池
ロータスコンボ
3つの5-0は全て赤単で、4-1も20デッキ中6デッキを占めており、圧倒的。
この流行によりイゼットフェニックスは駆逐され、以前より数を減らしていたアゾリウスコントロールに関しては消滅した。グルールの衰退と合わせ、数日前に定めたtier(リンク)は完全にひっくり返っている。
先日の記事でも触れた(リンク)が、イゼットフェニックスは赤単に対する回答を基本的に持たないため、これが流行しては駆逐されるのみ。
今回は現在のメタゲームの中核を担う赤単にフォーカス。
赤単と言ってもそのバリエーションは様々で、「多種多様な赤単が存在している」という状態が対応をより困難なものとしている。アゾリウスコントロールの衰退もこれが要因として大きく、ただでさえ雑多が多い環境であるのに、トップメタのデッキの中でもゲームレンジがまばらというのはやりづらいことこの上ない。
多種多様な赤単達
▼赤単アグロ
sandydogmtg - Pioneer Preliminary(2019/12/27) 5-0 |
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メインボード | サイドボード |
クリーチャー(24) |
3 焙り焼き 4 減衰球 4 無頼な扇動者、ティボルト 4 実験の狂乱 |
直近で全く同じリストが2度5-0を達成している、純正の赤単。
メインボードが11種4枚+《山》16枚、サイドボードが3種4枚+3枚1種の非常に男らしい構成。
1マナ域16枚、直接火力20枚、《大歓楽の幻霊》使用と、最もライフを攻めることに特化。
▼赤単アグロ(タッチ《ボロスの魔除け》)
yunosuke02 - Pioneer Preliminary(2019/12/27) 4-1 |
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メインボード | サイドボード |
クリーチャー(18) |
3 サテュロスの火踊り 3 瘡蓋族の狂戦士 3 暴れ回るフェロキドン 3 岩への繋ぎ止め 3 灼熱の血 |
12/22の5-0(リンク)を機に増加し、赤単の中でも比較的ベーシックなリスト。
白をタッチすることで、最上級の火力である《ボロスの魔除け》を使用できる他、サイドボードから《岩への繋ぎ止め》《安らかなる眠り》を用いることで特定のデッキタイプに対し強く出られることが利点。
▼赤単アグロ(タッチ黒)
contrap - Pioneer Preliminary(2019/12/26) 4-1 |
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メインボード | サイドボード |
クリーチャー(25) |
2 凶兆艦隊の向こう見ず 4 思考囲い 3 戦慄掘り 2 炎の侍祭、チャンドラ 2 霊気圏の収集艇 2 反逆の先導者、チャンドラ |
メインボードの《屑鉄場のたかり屋》、サイドボード後の《思考囲い》や《戦慄掘り》のために黒をタッチした構成。《キランの真意号》を用いるなど攻めが多角的で、コントロールを筆頭に除去デッキへの耐性が上がっている。
上記を用いることは他方でアグロに対するガードの低下に繋がるが、《ゴブリンの鎖回し》《再燃するフェニックス》と言った要素でこれを補完。
▼赤単ミッドレンジ
Duggie12 - Pioneer Preliminary(2019/12/26) 5-0 |
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メインボード | サイドボード |
クリーチャー(23) |
3 瘡蓋族の凶戦士 4 トーモッドの墓所 1 高山の月 1 ミジウムの迫撃砲 2 削剥 2 丸焼き 2 減衰球 |
低マナのクリーチャーはアグロとしての立ち振る舞いを可能とする最小限のみを残し、カードの質を重視したミッドレンジ構成。
12/20のPreliminaryで登場(リンク)して以降一定のシェアを保ち、環境に定着。
triosk - Pioneer Preliminary(2019/12/27) 5-0 |
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メインボード | サイドボード |
クリーチャー(23) |
4 エルドラージの寸借者 4 チャンドラの敗北 2 削剥 2 丸焼き 2 減衰球 1 反逆の先導者、チャンドラ |
上記リストとはやや異なり、メインボードから《再燃するフェニックス》を採用したタイプのものも登場。タッチ黒タイプに見られた手法だが、赤いカードなので単色でも採用可能であるし、ミッドレンジの意向にも沿うため環境が求めるのであれば率先して採用すべき。サイドボード後は《チャンドラの敗北》を用いるなど赤同系を強烈に意識している。
サイドボードの《エルドラージの寸借者》は対ランプ戦において有効。デッキタイプをミッドレンジタイプとすることでカードパワーは底上げされているが、その分スピードは落ちており、ランプデッキには苦戦を強いられやすい。寸借者は序盤の速攻と中後半の大型奪取を兼ね、利便性の高いクロックになる。
またこの運用のために無色マナの発生源として《ラムナプの遺跡》を合わせて採用しており、上記戦略を適用する上では追加のダメージ源としても重宝。
総括
《王冠泥棒、オーコ》《運命のきずな》禁止以降、健全なメタゲームのサイクルが行われている。
現状は赤単の攻略が各デッキに求められることではあるものの、他のデッキタイプも一定数シェアを占めている。5-0は全て赤単であったが4-1の7割は異なるデッキタイプで、3-2以下は混沌としており、緑単ランプのようなデッキ群もまだ多く見受けられる。
トーナメントを勝ち抜くためには雑多に負けないデッキとしての強さがありながらも、トップメタに優位に戦えることが必要で、その点で赤単はどんなデッキ相手にも真っすぐで勝ち切れるシンプルさと、ポジションの良さから現状の好調を促している。これら要件を満たすのはなかなか難しいので、現状は赤単・黒単・緑単と言ったシンプルなデッキが好成績を収めている認識。
ミッドレンジやコントロールは意識すべき対象が明確でなければカードの採択が的確に行いないため、これだけ流動的なメタゲームではなかなか成果を挙げづらい。