パイオニア環境分析2(2019/12/23~24)
今回の調査対象はPreliminary2日分。
目次
成績一覧
▼12/23実施分
・5-0
イゼットフェニックス
ロータスコンボ
・4-1
赤単タッチ黒アグロ
アゾリウスコントロール
ボロスフェザー
イゼットフェニックス
イゼットフェニックス
・3-2
白単アグロ
黒単アグロ
赤単アグロ(タッチ《ボロスの魔除け》)
赤単アグロ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
アゾリウスコントロール
イゼットハサミ
ゴルガリかまど
ジャンドかまど
ジャンドかまど潜在能力
スゥルタイ荒野の再生
▼12/24実施分
・5-0
緑単ランプ
バントオーラ
・4-1
黒単アグロ
赤単ミッドレンジ
アゾリウスコントロール
アゾリウスコントロール
イゼットフェニックス
イゼットフェニックス
ボロスフェザー
ラクドスミッドレンジ
・3-2
白単人間
青単アグロ
黒単アグロ
赤単アグロ(タッチ《ボロスの魔除け》)
緑単ランプ
緑単信心
ボロスフェザー
ボロス人間騎士
アゾリウススピリット
アゾリウススピリット
イゼットフェニックス
イゼットフェニックス
イゼットフェニックス
イゼットフェニックス
イゼットハサミ
イゼット現出
グルールアグロ
注目デッキ紹介
▼緑単ランプ
Phill_Hellmuth - Pioneer Preliminary(2019/12/23) 5-0 |
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メインボード | サイドボード |
クリーチャー(26) |
2 不屈の追跡者 |
以前紹介したデッキタイプだが、現状の緑単ランプには大きく分けて2種が存在しており、今回紹介するのは別種。
先発のリストが「相手の除去を腐らせること」を重視した構造だったのに対し、今回のリストは《エルフの神秘家》《ラノワールのエルフ》などむしろクリーチャーを積極的に使っており、中盤のマナブーストにも《約束の刻》ではなく《茨の騎兵》や《ウルヴェンワルドのハイドラ》を用いている。
盤面にしっかりとクリーチャーを展開していく作りとなっており、アグロデッキへの耐性が向上。騎兵もハイドラも到達を有するタフネス6のクリーチャーであるため、《世界を壊すもの》と合わせてイゼットフェニックスに対しすこぶる強い。《稲妻の斧》でも倒せないのでイゼットフェニックス側は苦戦を強いられる。
ランプは多くのバリューランドを採用しているが、中でも一際強力なのが《ギャレンブリグ城》。《見捨てられた神々の神殿》は土地が7枚無ければ2マナ条件を満たせないが、《ギャレンブリグ城》は土地の数関係なく4マナが捻出できれば良い。
1コストのマナブーストから始まれば3ターン目《ウルヴェンワルドのハイドラ》や4ターン《世界を壊すもの》をも可能とし、トップスピードを叩き出す。土地にありながら呪文相応の効力を持ち、パイオニア環境のバリューランドの中でも《変わり谷》と並んで頭一つ抜けた性能。
▼バントオーラ
__matsugan - Pioneer Preliminary(2019/12/23) 5-0 |
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メインボード | サイドボード |
クリーチャー(8) |
4 防護の光 |
変態・まつがん(@matsugan)謹製、パイオニア版呪禁オーラ。同氏はパイオニアでこのアーキタイプを練り続けており、先日5-0を遂げた。
モダン版ではデッキ名を冠している《ぬめるボーグル》はパイオニアでは不在。定番の《林間隠れの斥候》に加え、《バサーラ塔の弓兵》を用いることで呪禁クリーチャーを賄っている。
とは言え、ボーグルに限らずモダンで同デッキを成すために用いられているアイテムの多くはパイオニアに存在しない。モダン版では15年に渡りリリースされたカードの中から選りすぐりのオーラが選択されており、呪禁クリーチャーをベースに先制攻撃・警戒・絆魂・トランプル・プロテクション・破壊耐性を次々と付与し、怪物を作り上げ詰みへとゲームを運んでいく。
パイオニアのカードプールはその約半分の7年。オーラに関しては呪禁クリーチャーのように代替品を用意するのが困難なため、パイオニア版では詰みへのアプローチを変化させている。《第六感》と《執着的探報》によるアドバンテージと、《頑固な否認》のカウンターがそれに該当。《液態化》によるブロック不可と占術効果が戦術をバックアップ。
最後には怪物を生み出してゲームに蓋をする。
現環境で幅を利かせるイゼットフェニックスに対しての耐性が見込め、特に《氷の中の存在》ではなく《若き紅蓮術師》に採択が移っているのが大きい。環境全体を見ても対象を取らない除去を採用しているデッキは少ない。徐々に環境の固定化が進みつつあるパイオニアのメタゲームを再び混沌へと陥れる一石となるか。
▼ボロスフェザー
pacoelflaco - Pioneer Preliminary(2019/12/23) 4-1 |
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メインボード | サイドボード |
クリーチャー(18) |
2 鬼斬の聖騎士 |
スタンダードでの活躍が記憶に新しいフェザーだが、このパイオニアにも根付きつつある。
《贖いし者、フェザー》と《無謀な怒り》のコンボはパイオニアにおいても強力で、緑相手にはマナクリーチャーを破壊し尽くし、《弧光のフェニックス》が何度返ってこようとも墓地へと送り返し、《朱地洞の族長》や《栄光をもたらすもの》といったパワフルなカードもたった1マナで継続的に除去。あらゆるデッキ相手に有効なコンボで、無限のアドバンテージシステムがとにかく強力。
ただし、フェザーの枚数自体は3枚に抑えられるリストも存在するなど、これはデッキがそれに依存したものではないことの表れ。
《恩寵の重装歩兵》《僧院の速槍》と言った2種1マナ圏から始まるビートダウンがデッキのもう1つの顔であり、《戦慄衆の秘儀術師》《第10管区の軍団兵》と合わせて「果敢アグロ」の性質も持っている。
《ボロスの魔除け》はフェザーを守る破壊不能のモードでプレイすることもあるが、二段攻撃や4点火力として運用することが多い。
数は少ないがコンスタントに成績を残しているデッキ。
赤いアグロデッキは徐々に意識されはじめているため、アグロとしての顔を持ちながらも別軸の勝ち手段を持っているフェザーは今後跳ねる可能性あり。
総括
イゼットフェニックスの入賞率が他デッキと比較して段違いで、それに伴い勝ち組となるデッキもイゼットフェニックスに対し構造的に強いものが多い。
その他、《王冠泥棒、オーコ》だけでなく《運命のきずな》の禁止も大きな影響を及ぼしていることが見て取れるメタゲーム。イゼットフェニックスもランプもフェザーもネクサスには全く歯が立たなかったであろうことから、オーコのみならずネクサスによって押さえつけられていたデッキ群も再評価していく必要がある。
逆に、黒単アグロを筆頭にネクサスに対して一定のバリューを持っていたデッキは失速の傾向が見られ、今後もデッキ再評価の動きは続いていくものと見られる。
また新環境となってからある程度時間が経過し、各デッキの完成度が増してきたことから、残存勢力が持っていた「デッキ完成度のアドバンテージ」価値が低下しつつあり、アゾリウスコントロールやグルールアグロが少しずつ数を減らしている。
それでも現環境唯一のコントロールであるアゾリウスコントロールがその観点でポジションを維持しているのに対し、アグロという括りの中で目立った優位性を示せないグルールは目に見えて数を減らしている。