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パイオニア環境分析6(2019/12/31〜2020/01/01)〜単色アグロ揺るがず〜

Preliminary2本を対象。

 

目次

 

成績一覧

▼12/31実施

magic.wizards.com

・5-0
黒単アグロ
緑単アグロ
ロータスコンボ(《二倍詠唱》型)

・4-1
黒単アグロ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
緑単アグロ(タッチ青)
緑単ランプ
アゾリウス飛行
ボロスフェザー
スゥルタイドレッジ
ロータスコンボ(《願いのフェイ》型)

・3-2
青単信心
赤単アグロ
赤単アグロ(タッチ《ボロスの魔除け》)
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
緑単アグロ(タッチ黒)
緑単ランプ
緑単ランプ
アゾリウススピリット
アゾリウスオケチラの碑
イゼットハサミ
イゼットフェニックス
イゼットフェニックス
ゴルガリ魂剥ぎ
グルールアグロ
グルールアグロ
グルールアグロ
バントカンパニー
バントカンパニー
バントスピリット
バントスピリット
バントスピリット
ジャンドかまど

 

▼1/1実施

magic.wizards.com

・5-0
黒単アグロ
黒単アグロ
ラクドスミッドレンジ
ロータスコンボ(《願いのフェイ》型)

・4-1
青単ミッドレンジ(タッチ緑)
黒単アグロ
黒単アグロ
黒単アグロ
赤単アグロ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
緑単アグロ
緑単アグロ
アゾリウスコントロール
アゾリウススピリット
ボロス騎士
ボロスフェザー
ディミーアコントロール
イゼットハサミ
シミック
ゴルガリミッドレンジ(タッチ《漂流自我》(サイド後))
ゴルガリミッドレンジ(昂揚型)
グルールアグロ
ロータスコンボ(《二倍詠唱》型)

・3-2
青単信心
青単信心
青単信心
黒単アグロ
黒単アグロ
黒単アグロ
黒単ミッドレンジ
黒単吸血鬼
黒単吸血鬼
赤単アグロ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
緑単アグロ
緑単アグロ(タッチ青)
緑単アグロ(タッチ青)
緑単アグロ(タッチ黒)
緑単ランプ
緑単ランプ
緑単ランプ
緑単ランプ
緑単ランプ
緑単ランプ
緑単ランプ
緑単信心
緑単信心
アゾリウスコントロール
アゾリウススピリット
オルゾフゾンビラリー
イゼットハサミ
イゼットハサミ
ゴルガリミッドレンジ
グルールアグロ
グルールアグロ
グルールアグロ
グルールアグロ
ジェスカイ英雄的
アブザンミッドレンジ
アブザンミッドレンジ
スゥルタイドレッジ
ロータスコンボ(《願いのフェイ型》)

 

※成績一覧の並び順に関して
あまり厳密にやる意味は無いが、規則性があった方が整理しやすいので以下を意識
①単色(白>青>黒>赤>緑)
②2色カラーリング(白青>白黒>白赤>白緑>青黒>青赤>青緑>黒赤>黒緑>赤緑)
③3色カラーリング(白青黒>白青赤>白青緑>白黒赤>白黒緑>白赤緑>青黒赤>青黒緑>青赤緑>黒赤緑)
④カラーリングよりも特定のキーカードが重要なコンボデッキなど、特殊な括り(ロータスコンボなど)

 

年末年始ということもあって参加者が多く、その分デッキも多い。サンプルの数が増えるとイベントの特徴が際立ちやすくなるため、分析が捗る。

 

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再三口にしてきていることだが、やはり3色デッキは勝たない。
最初のフォーマット分析で述べた(リンク)が、パイオニアの3色デッキはギルドランドを多用した構成になりやすいため、アグロが一定のシェアを占める現状では明確に弱点が増える。スゥルタイドレッジ(リンク)のように基本は2色ベースで、1色は出なくとも問題ない程度でギリギリか。

さらに、多色化の主な利点は「より多くの色を用いることで採択可能なカードが増えること」にあるが、現状の3色デッキはデメリットを上回るようなメリットを得ていない。
例として、《包囲サイ》に関しては失ったライフを取り戻しているだけであるし、《集合した中隊》に関しても、自分のデッキは中隊を強みとしているかもしれないが、他のデッキも中隊と同じぐらいの力を有したカードをいくらでも持っている。中隊が環境屈指のパワーカードであるならば3色にしてでもプレイする価値があるが、パイオニアには中隊と並ぶかそれ以上のパワーカードが山ほど存在しているので、デメリットに勝るメリットを得られていないと感じる。

 

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緑単ランプ・グルールは勝ち切れないデッキの筆頭。元々3-2ラインに多かったデッキだが、サンプルが増えるとその様子もより顕著になる。弱いデッキでは無いのだが、環境上の優位性が特に無いため、3-2のスコアは至極妥当。各デッキ毎の精査が進み、現状トーナメントシーンで生き残っているデッキはどれもそれなりに強いものばかりなので、メタゲームにマッチしたものが勝ち組となっていく。
ただしそれはあくまで現状に限った話なので、今後メタゲームが変化していくことで再度ポジションを上げてくる可能性はある。

 

注目デッキ紹介

▼黒単アグロ

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ls149950 - Pioneer Preliminary(2020/1/1) 5-0

メインボード サイドボード

クリーチャー(24)
4 血に染まりし勇者
2 戦慄の放浪者
2 どぶ骨
4 漆黒軍の騎士
4 屑鉄場のたかり屋
4 残忍な騎士
2 騒乱の落とし子
2 悪ふざけの名人、ランクル

呪文(12)
4 思考囲い
4 致命的な一押し
2 闇の掌握
2 喪心

土地(24)
15 沼
1 ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
4 ロークスワイン城
4 変わり谷

2 ゲトの裏切り者、カリタス
3 強迫
2 闇の掌握
3 減衰球
2 霊気圏の収集艇
3 虚空の力線

《密輸人の回転翼機》健在時にトーナメントシーンを席捲した黒単アグロだが、禁止改定後もしぶとく生き残り、今回掲載分では両日5-0と勢いづいた。
構築に関しては従来のものから大きな変化は無く、1マナからマナカーブに沿ったクリーチャーを展開していき、ハンデス・除去でバックアップ。シンプルでビートダウン然としたデッキ。

 

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単色アグロにありながら長期戦をも戦い抜けるのが特徴で、戦力が尽きない。
相手にした際の対策が難しく、捌くことに専念していると無尽蔵の攻め手を前にカードを消費させられ続け、いずれ力尽きてしまう。

 

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素早い攻めと致命的な置き物は特殊デッキに対して最も有効な戦略。ハンデスと合わせてコンボデッキにも高い耐性を持つ。近頃はロータスコンボやドレッジもポジションを上げてきており、《減衰球》《虚空の力線》はそれぞれ劇的。

 

黒単の中で吸血鬼やゾンビと言った派生も存在するが、純正のアグロタイプが最も成果を残しており、今回特に活躍が際立ったが、実は直近のPreliminaryでは毎回4-1以上のスコアを輩出、安定感を示している。

 

▼緑単アグロ

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Patxi - Pioneer Preliminary(2019/12/31) 5-0

メインボード サイドボード

クリーチャー(35)
4 エルフの神秘家
4 ラノワールのエルフ
4 炎樹族の使者
3 ヘンジの槌、ファレン卿
2 不屈の神ロナス
4 鉄葉のチャンピオン
4 恋煩いの野獣
2 ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ
4 狩猟の統率者、スーラク
4 原初の飢え、ガルタ

呪文(4)
4 ハイドラの血

土地(21)
14 森
4 ハシェプのオアシス
3 ニクスの祭殿、ニクソス

2 漁る軟泥
2 狩人狩り
3 形成師の聖域
2 部族養い
4 英雄的介入
1 キランの真意号
1 ビヒモスを招く者、キオーラ

緑単アグロもパイオニア発足当初より活躍するデッキだが、最近のトレンドとなっているのは《ハイドラの血》と《原初の飢え、ガルタ》を用いたタイプ。

 

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緑アグロの定番である2種8枚の1コストマナクリーチャーから繋ぐ3マナ域は4種12枚が用意されており、2ターン目5/5相当が標準の動き。《炎樹族の使者》や《ハイドラの血》が加われば、3ターン目には《原初の飢え、ガルタ》をプレイできる。

 

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《狩猟の統率者、スーラク》による速攻付与のオプションも存在し、2マナ12/12トランプル速攻の突然死も内蔵。関係するカードは全て4枚採用されているため再現性も高く、十分現実的な動き。

 

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《ヘンジの槌、ファレン卿》は信心要因であると共に《不屈の神ロナス》や《ハイドラの血》とのシナジーがあり、特に後者はカード単体の効力を倍化することになり一際強力。コンボデッキを相手取った際など大幅にキルターンを短縮でき、明確な強みとなっている。

 

デッキ内のカードの結び付きが素晴らしく、非常に美しいリスト。
相手の妨害を考慮しない自己完結型デッキの中では最上位の部類。

 

雑感

前回の記事ではイロモノを取り上げた(リンク)が、やはり基本的には単色アグロが強く、安定して結果を残し続けている。今月末には『テーロス還魂記』のリリースを控えており、テーロスを舞台としたセットということで信心要素、ひいては単色の強化が予想され、パイオニアの現状をさらに後押しすると考えられる。
今回取り上げた黒単アグロにも採用を検討できる新たな除去が既に発表されている。

Drag to the Underworld 2黒黒
インスタント

この呪文を唱えるためのコストは(X)少なくなる。Xはあなたの黒への信心である。(あなたの黒への信心は、あなたがコントロールするパーマネントのマナ・コストに含まれる(黒)の数に等しい。)


クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。

現状は《致命的な一押し》に加える形で《究極の価格》《闇の掌握》《喪心》のいずれかが採用されているが、どれも一長一短で信頼性に欠ける性能。今回発表された《Drag to the Underworld》はその観点で有力。(2ターン目のプレイを考えた場合は現在の選択肢の方が優れる)

 

『テーロス還魂記』のプレビューは続々と行われている最中なので、要チェック。