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続きそうだったらなんか考える

パイオニア環境分析8(2020/01/05〜2020/01/07)〜アゾリウスコントロール復権〜

Challenge1本とPreliminary2本を対象。
また記事の最後に今後の更新に関する告知あり。

 

目次

 

成績一覧

▼Challenge 1/5実施

magic.wizards.com

10-1(優勝)
赤単ミッドレンジ

10-1(2位)
黒単アグロ

9-2(3~4位)
アゾリウスコントロール
魂剥ぎ

7-2(5~6位)
黒単吸血鬼
黒単アグロ

6-3(7~8位)
緑単アグロ
緑単アグロ

6-2(9~21位)
黒単アグロ
赤単ミッドレンジ
緑単アグロ
緑単アグロ
緑単ランプ
アゾリウスコントロール
アゾリウスコントロール
アゾリウスコントロール
アゾリウスコントロール
ボロスフェザー
イゼットハサミ
ゴルガリミッドレンジ
魂剥ぎ

5-3(22~32位)
黒単アグロ
黒単吸血鬼
赤単ミッドレンジ
緑単アグロ
緑単信心(タッチ青)
アゾリウスコントロール
アゾリウスコントロール
ディミーアコントロール
イゼットハサミ
ゴルガリミッドレンジ(タッチ《死の宿敵、ソリン》《乱脈な気孔》)
グルール潜在能力

 

▼Preliminary 1/6実施

magic.wizards.com

5-0
赤単ミッドレンジ
黒単アグロ

4-1
黒単アグロ
黒単アグロ
黒単吸血鬼
赤単ミッドレンジ
緑単アグロ
緑単ランプ
アゾリウスコントロール
イゼットハサミ
イゼットフェニックス
ドレッジ
ケシスコンボ

3-2
青単テンポ
黒単アグロ
黒単アグロ
赤単アグロ
赤単アグロ
赤単アグロ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
緑単アグロ
緑単アグロ
緑単ランプ
緑単ランプ
緑単ランプ
アゾリウススピリット
イゼットフェニックス
ゴルガリミッドレンジ
グルールシュート
ドレッジ
ドレッジ
ロータスコンボ

 

▼Preliminary 1/7実施

magic.wizards.com

5-0
アゾリウスコントロール
イゼットハサミ
魂剥ぎ

4-1
白単人間
青単信心
黒単アグロ
黒単吸血鬼
赤単ミッドレンジ
緑単ランプ
緑単信心(タッチ青)
セレズニアアグロ
ドレッジ

3-2
白単ミッドレンジ
黒単アグロ
黒単吸血鬼
黒単吸血鬼
赤単アグロ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
赤単ミッドレンジ
緑単アグロ
緑単ランプ
アゾリウスコントロール
アゾリウスコントロール
オルゾフミッドレンジ
セレズニアトーク
イゼットハサミ
イゼットフェニックス
5色白日ニヴ
魂剥ぎ
ロータスコンボ
ロータスコンボ

 

アゾリウスコントロール復権

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Challengeではトップ8に1名、6-2に4名が入賞。6-2以上21デッキの中では最多の入賞数。
Preliminaryでは低迷が続いていたが、メタゲームの観点では赤単ミッドレンジ・緑単アグロのような高相性のデッキが増えたのは追い風。黒単アグロには分が悪い(このイベントでも準決勝で黒単アグロに敗北している)が、その他大勢に対し有利に立ち回れる点は魅力。
またChallengeで上位に食い込んでくるプレイヤーは強者とされる者が多いが、その中でもアゾリウスコントロールで好成績を収めているプレイヤーは"生粋のコントロールフリーク"の傾向がある。

 

MTG Goldfish参照
 https://www.mtggoldfish.com/player/アカウント名 のURLで参照できる。

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1/4実施のPreliminary(リンク)においても、コントロールプレイヤーとして定評のある高橋優太の手により、アゾリウスコントロールにとって久方ぶりとなる5-0を記録。

 

先日のドレッジの項でも述べた(リンク)ように、不慣れな人間がいたずらにプレイすると勝率を下げてしまうデッキタイプというものも存在して、コントロールデッキはその典型。長くゲームをプレイし、かつ受動的な立場にあるため、ゲーム内での分岐点が多く、プレイヤーの腕が試される。もしプレイしてみたいのであれば、ある程度腰を据えてじっくり臨む必要あり。もっと言えば、過去にコントロールをプレイしてきた経験があるかどうかも重要。フォーマットや環境が違っても、コントロールが考えることには共通するものがある。
僕個人としても、こうした事態に備え、一定期間を費やしてコントロールの経験を積んだことがある。

mtg-jp.com

 

もし今現在特に興味をそそられるデッキが無いのであれば、新しいデッキタイプの技術習得に費やしてみるのも手。

 

上位デッキ間での相性

上記アゾリウスコントロールの項でも少し触れたが、現在トーナメントシーンをリードするトップメタデッキ群の中にも優劣があり、トーナメント結果に影響を与えている。

 

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・赤単ミッドレンジは黒単アグロに有利
・黒単アグロはアゾリウスコントロールに有利
・アゾリウスコントロールは緑単アグロに有利
などなど。
トーナメントが進行し、トップメタ群が順当に勝ち残っていった場合、必然的にポジションが良くなるデッキというものも出てくる。
Challengeを優勝した赤単ミッドレンジは、合わせて5名がトップ8入りした黒単アグロと緑単アグロに強く、高い確率で有利なデッキと対戦できた。仮に今回のトップ8の面々がそのまま次期環境を形成した場合、良いポジションにつける可能性が高い。

 

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もちろん、その一方で相性の悪いデッキというものも存在しており、準決勝で対戦したゴルガリ魂剥ぎは苦手な相手。呪禁、破壊不能、絆魂など赤点が苦手とする能力をガッツリ兼ね備えており、"完全態"が完成してしまっては勝ち目がない。優勝者はこれをよく理解して、サイドボードには《トーモッドの墓所》を4枚しっかりと用意している。(対ドレッジも兼用)
相性の正確な理解はトーナメントを勝ち抜く上で非常に重要な要素。不利に厚く、有利に薄くのサイドボード構築は基本ながらも最も効果的な手段。

 

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上記で「仮に今回のトップ8の面々がそのまま次期環境を形成した場合、良いポジションにつける可能性が高い」と述べたが、それはあくまで"現状のまま"環境形成が行われた場合の話。今回の結果を受け、プレイヤーが赤単ミッドレンジを意識した選択を行った場合、メタゲームにはまた動きが出る。
前述の通りアゾリウスコントロールはその点で良い選択肢となるし、魂剥ぎ・イゼットハサミあたりもメタゲーム場の立ち位置は良い。それを示すように1/7のPreliminaryでは両者ともに早速5-0を記録している。

 

注目デッキ紹介

▼イゼットハサミ

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katuo079595 - Pioneer Preliminary(2020/01/07) 5-0

メインボード サイドボード

クリーチャー(20)
4 石とぐろの海蛇
2 ギラプールの希望
4 ボーマットの急使
4 ジンジャーブルート
4 技量ある活性師
2 湖に潜む者、エムリー

呪文(19)
2 頑固な否認
2 乱撃斬
4 幽霊火の刃
4 アーティファクトの魂込め
4 爆片破
1 金属の叱責
2 王家の跡継ぎ

土地(21)
1 島
1 山
2 蒸気孔
4 シヴの浅瀬
4 尖塔断の運河
3 産業の塔
2 変わり谷
4 ダークスティールの城砦

2 搭載歩行機械
2 砕骨の巨人
1 潜水
2 霊気の疾風
2 溶岩コイル
2 金属の叱責
2 霊気圏の収集艇
2 飛行機械の諜報網

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12/29に実施されたChallenge(リンク)においてkatoken(BIGs・加藤健介)が使用しトップ8に入賞した際、メインボードに投入されていたのが《湖に潜む者、エムリー》。
従来のリストではこのスロットに《ファイレクシアの破棄者》が用いられていたが、明確な役割を持たず、ぼんやりしたカードだった。エムリーはアーティファクトを主体としたこのデッキにおいては1コストでプレイすることも難しくなく、効果の対象となるカードも多数存在し、状況次第では多大なアドバンテージをもたらしてくれる。システムクリーチャーのため除去には弱いが、本筋はビートダウンのため、本命のクロックを活かす避雷針としての役割も期待できる。
3枚に増量したリストも見られるなど、評価は高い。明確にデッキが強化された。

 

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単色アグロが人気を博している現在のトーナメントにおいて、《ダークスティールの城砦》を用いた破壊不能5/5コンボは相性差を作り出す要因となる。この脅威は原則対処されず、盤面の膠着は《ギラプールの希望》や《ジンジャーブルート》と言った回避クロックを持つイゼットハサミ側にとって好ましい事態。《幽霊火の刃》を使い回すことでダメージ量と盤面の固さを維持できる。

 

先に紹介した魂剥ぎ(リンク)ドレッジ(リンク)同様、「密かにアベレージを出している」タイプのデッキ。単色アグロやアゾリウスコントロールが勝っている事実は皆が知るところであり、人気の高いデッキタイプなので流行りやすい。世間の認知・流行とは別に、こうしたデッキタイプにもしっかりと目を向けていく事が大切。以前述べた(リンク)ように大きな成果を残したり複数回入賞しているものは要チェック。

 

今後の更新について

プレイヤーズツアー名古屋に関して、今回ほぼ全てのメンバーが参加権利を有しているということで、チーム武蔵の面々と調整を行うことになっている。環境デッキが出揃い、『テーロス還魂記』のフルスポイラーを近日に備えていることから、活動が徐々に本格化しつつある。更新に割り当てる時間が担保できそうにないのと、チーム内での守秘義務に基づき、更新を休止する。

 

自身の勉強を兼ねて始めたことだが、好意的な声が多く、喜ばしい限り。有難いことに「有料記事にしないのか」との意見もいただいた。
確かに、実は結構な労力を費やしていて、それこそ調整に支障が出ると判断したからこそ休止を決めた。一応、今後の活動を見据えた動きではあり、1週~2週に1度のペースで直近のトーナメント事情をまとめた情報発信を考えている。情報を追い掛けるのはなかなか手間で、また得た情報をどう整理するかは知識や腕が問われる部分。普段は個人的にやっていることだが、表に出していった方が自分のためにも全体のためにもなる可能性がある。今回は、そもそも需要があるのか、また有料とするにしてもどの程度のクオリティのものを提供できるのかサンプルが必要だと思い、試験的な取り組み。まだ思考中の段階だが、意見要望があれば是非コメント欄に書き込んでほしい。