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続きそうだったらなんか考える

ドラキチ合宿『ラヴニカの献身』

BIGs・河浜貴和さん主催「ドラキチ合宿」に参加してきた。

 週末の2日間で計11回のドラフトをプレイ。アリーナドラフトとの差異を確認し、今後の取り組みにおける課題を見つけることを目標に設定し、参加。

1回目 グルール(タッチ青) 1-2
2回目 アゾリウス 0-3
3回目 オルゾフ(タッチ青) 2-1
4回目 オルゾフ 2-1
5回目 4色 0-3
6回目 ラクドス 2-1
7回目 グルール 2-1
8回目 グルール 3-0
9回目 シミック(タッチ白) 1-2
10回目 オルゾフ(タッチ赤) 3-0
11回目 アゾリウス(タッチ緑) 1-2

トータル17-16でギリギリ勝ち越しの結果に。


1回目 グルール(タッチ青) 1-2

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1パック目をオルゾフとラクドスの天秤で進めるものの、大したカードが見えず0-3視野の立ち上がり。
2パック目を開封すると《ハイドロイド混成体》を確認。1パック目の情報から上家がシミックorグルール系のデッキになっている可能性が高く、マルドゥカラーのカードに大したものが無かったのでカットのつもりでピック。
すると下家から《旧き道のニーキャ》、その後《終末の祟りの先陣》と流れてきて、なんだか楽しくなってきてしまい1パック目のカードを全て捨てて2パック目からデッキを作成。

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もちろん上家と被っているので3パック目は悲惨なものとなり死亡。1マッチだけレア3連打で轢き殺したものの、残り2マッチは順当に負けて1-2。

 

2回目 アゾリウス 0-3

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アゾリウスが卓に4人発生するとんでもない回となり、アゾリウス勢が1-2と0-3を独占。最もゴミを組み上げた僕が0-3した。
この回以外にも、卓にアゾリウスが溢れて下位を独占したドラフトが数回あった。考えた結果、このカラーリングにはコモンでスタートを切ることが許容されるカードが多く存在することが原因だと推察。

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《アゾリウスの騎士判事》に関しては個人的に理解を示せないが、初手で問題無いと考える人間もいるようなのでピックアップ。残り2枚はコモンの中でも群を抜いて強いと感じているので、同色の混雑は容易に想像がつく。
アゾリウスをピックしていて少しでも流れが悪いと感じた場合は即座に手を引くか、オルゾフやシミック、もしくはタッチしてバントやエスパーへの移行を目指すべきだろう。他ギルドよりもワンテンポ早い切り替えが必要になると思う。

3回目 オルゾフ(タッチ青) 2-1

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《大判事、ドビン》からスタートしたが、アゾリウスの流れは悪く、オルゾフに移行。それが功を奏し、下家から2枚のオルゾフレアを獲得できた。
3種のレアの内《秤の熾天使》は非常に強力なカードだったが、《テイサ・カルロフ》と《大判事、ドビン》はそれほど威力を感じることができなかった。無理をしてまで使うカードでは無い認識。

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《秤の天使》は単体でただ強く場面を選ばないが、《テイサ・カルロフ》はデッキ構成と盤面を選び、《大判事、ドビン》は定着させるのが非常にシビア。並大抵のコモンには勝るが、他に強力なアンコモンが候補にあるならそれを優先して良いと思っている。


4回目 オルゾフ 2-1

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オルゾフは今環境お気に入りのギルドで、機会があれば積極的にドラフトしたいと思っている。(理由は後述)
今回は《天上の赦免》から始められたこともあり喜んで参入。

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しかしポジションとしてはあまり良くなく、手放すには惜しいレアなので粘ってしまった結果、貧弱デッキにボムレアだけ混ざっているだけのデッキに。
ただ先日の記事(リンク)でも触れた通り、オルゾフはサイドカードが豊富で、メインボードの出来は微妙でもマッチ全体を通してみるとしっかりと戦えることが多い。

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グルールのサイズに付き合える
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ラクドスには死後が有効
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オルゾフミラーやコントロール相手には置き物とその対策、リソース獲得手段が重宝。またゲーム感が遅ければ重たい除去も問題なく運用できる。

以上の事から見掛け以上に戦えることが多く、同アーキタイプは非常に好み。色拘束も緩いのでギルド門を優先してピックする必要も無く、サイドカードのピックにしっかりと手数を使える。

 

5回目 4色 0-3

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1パック目を通してシグナルをキャッチできず、大したことのないカードをバラバラに集めた結果ポジション取りに失敗。2パック目以降、ゲームに勝ち得るレアを詰め込み土地で無理やり整合性を取りに行った結果、それ以外のカードパワーが著しく低下。文句なしの0-3となった。

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特に《囚われの聴衆》の弱さは目を見張るものがあり、このカードは絶対にピックしてはいけない。全ての効果を使っても負けてしまう事がザラで、本当に弱い。手札を捨てさせる効果とライフを4にする効果に意味が無いことが多く、7マナ払って3ターン後にゾンビを5体出すだけのカードになりがち。繰り返すが本当に弱い。

6回目 ラクドス 2-1

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序盤でラクドスのゴッドレア2種を掴むイージーモード。強力なデッキに仕上がったが、細部の構築が甘く勝ちきれなかった。

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ラクドスのゴッドレア


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負けパターンには常に《槍播き》が絡んだ。押されている時に弱過ぎるカードだ。起動できないし、ブロックにも使えない。つまり存在価値が無い。
デッキが強いと思うならムラのあるカードは使うべきではない。絢爛達成要員としての活躍を期待したが、単純にカードが弱過ぎると感じた。絢爛達成はカードカウントを無駄にしてまで許容されるものではない。

 

7回目 グルール 2-1

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重めのグルール。位置取りが悪かったのかカード不足に悩まされ、仕方なく《グルールのロケット》を使いながら重い構築にすることを選んだ。

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それでもカードが足りず23枚目に《脚光の悪鬼》を採用したが、これは非常に弱く全ゲームサイドアウトした。井川良彦さんから「18枚目の土地の方がマシではないか」と指摘を受け、全くその通りだと思った。重めのデッキで、大したことの無いカードを投じるぐらいなら18枚目の土地はその他多くより優れた選択肢になる。
実際、コンバットトリックのプレイからのダブルアクションを狙う場合見た目以上に色拘束が厳しく、ギルド門1枚では必要なマナベースを補い切れていない印象を受けた。土地が1枚増すだけでも大きく緩和される。井川さんはこの手のデッキをよくドラフトしているので、経験ベースで非常に参考になった。

8回目 グルール 3-0

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今度は理想的なマナカーブを描いたグルールとなり、カードパワーもマナベースも申し分なく3-0。
強化呪文を思うようにピックできなかったことが懸念点だったが、その分ゲーム後半で盤面を押し返す呪文をピックできており、満足の行く仕上がり。

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爆弾アンコモン2種。決まった時の威力が凄まじい。

また低マナに寄せたグルールを構築する際は2マナ域がネックになりやすい。

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《トカゲ体の混種》が優秀だがシミックにもピックされがちで、《砂利皮のゴブリン》は取れるがこればかりではあまり良いデッキにならずマナ効率も悪い。《野生のマーカ》はもってのほかだ。

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そこで今回はシミックでもあまり好かれない《縄張り持ちの猪》を2マナ域に据えた。3ターン目からパワー3を狙えるように《尖塔に忍び寄るもの》と併せて2枚ずつを採用。グルールでプレイすると3マナ4/2のバニラクリーチャーになってしまうので、バリューを出すために《繁殖池》もピックした。3ゲームほど飛行がゲームに関与し、貢献している。もちろん《シミックのギルド門》でも良いので、今後も意識したいパッケージだ。

9回目 シミック(タッチ白) 1-2

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1-1を《災いの歌姫、ジュディス》で始めたがすぐに上家と被っていることに気付き、正反対のカラーリングに逃げアゾリウスとシミックの天秤でドラフト。

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是非使いたいレアだが、流石に2色被りでは無謀

しかしピックをぼんやりさせ過ぎたためか下家に希望していた双方のギルドが発生してしまい、返しが弱く微妙な出来栄えになってしまった。優柔不断な態度は下家を惑わせてしまう。
しかしデッキとしては強力な動きを見せるシーンもあり、デッキの感触自体は悪くなかった。デッキに合わない・単純に弱いカードが5枚ほど含まれているため、そこが改善されればもう少し勝ち得たと思う。

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ヒレバサミダコ》は順応時はもちろん、その他の要素でカウンターが置かれた際もタップ能力が誘発する。《石のような強さ》はその軽さから奇襲性を持たせやすく、《生体性改造》に至っては一度カウンターを乗せてから倍にするため、能力が2回誘発する。両者共単体で強いカードだが、組み合わせると暴力外の何物でもなくなる。

10回目 オルゾフ(タッチ赤) 3-0

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1-1は弱いパックからマックスバリューを求めて《ラクドスの火輪使い》。

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強力なカードだが決して優先させたくないラクドスというアーキタイプに寄せてしまうピックのため、初手取りは歓迎はされない。
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その後《オルゾフの処罰者》と《無慈悲な司教》の2択で悩み、初手でピックしたラクドスの線も残せる前者を選択したところ、次のパックには《屈辱》と《最後の支払い》の2枚が含まれていた。流れ的にオルゾフに参入しないと損をするのは明らかだったが、下家との被りも必死。ましてや下家は渡辺雄也だったので先の《無慈悲な司教》の時点で確実にオルゾフの空きを嗅ぎつけているはず。
悩んだが、みすみすポジションを明け渡すのは弱者の考えだと《屈辱》をピック。そして当然の上下被り。当たり前。
だが、ここでもオルゾフ特有のサイドボードの強さが活き、ラクドスを《悲しみの騎士》で抑え込み、グルールを《黄昏の豹》を《死の歓楽》で使い回して捌き切る戦略で制し、気付けば3-0していた。

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サイドボーディングまで含め自分の中でパターンが固まっているのが要因として大きいが、大したことない見た目のデッキで3-0はこれで2回目だし、過去5回オルゾフをドラフトして2-1が3回に3-0が2回なので、期待通り強アーキタイプ感を醸し出している。

11回目 アゾリウス(タッチ緑) 1-2

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1-1はかなり弱めのパックで《法魔道士の束縛》から。
ただ例に倣いこのスタートは重複が発生しやすいのであまり固執せずに行こうと気を引き締めていたところ、1-2で《大判事、ドビン》が。(上家は《集団強制》のFoilをピックしていた。この2択なら僕もこちらを取ると思う。)

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《大判事、ドビン》は前述の通り大したことは無いと考えていたのであまりピックしたくなかったが、たまたま初手とも噛んでいるし、もう1回ぐらい試してみるかとピックしてみた。(結果大したこと無かった。もう取りたくない。)
またしても卓全体で青白が混み合っており、あまりいい仕上がりにならなかった。アゾリウスはやはり混みやすい?僕みたいにコモンから始めてしまう人間がいるためだろうが、そうは言っても弱パックをどうスタートすれば良いのか判断に悩む。
ビート性能の高いシミックに負け、エンチャント除去が有効なグルールに勝ち、《集団強制》の入ったより強いアゾリウスのミラーに負けと、わかりやすく1-2だった。

合宿を終えて

オルゾフのドラフト方針は概ね固まったので、自分の中の引き出しとして確立された。グルール・ラクドスも概ね問題無いと思う。あと数回ドラフトして今感じていることが正しいのか検証できれば良いと思う。
アゾリウスとシミックが問題で、前者は成功体験が少なく失敗体験ばかり、シミックに関してはロクにドラフトすらできていない。何から始めればシミックに行きつけるのかがわからない。更に同アーキタイプは今環境の勝ち組(よく3-0している)と思われ、ドラキチ合宿では小島さんが3回ドラフトして3回3-0していた。あのメンツ内でこれだけ勝ち散らかすのであれば明らかに強アーキタイプだ。僕自身、相手をしていてシミックは強いデッキだと感じている。本番までに是非マスターしたい。