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続きそうだったらなんか考える

Cygames合宿『ラヴニカの献身』

新セットリリース毎に開催されるCygames様主催のドラフト合宿に参加してきた。
Team Cygamesメンバーを筆頭に日本のトップオブトップが一同に集結。ドラフトのピックも時間を計測しながらブラインド状態(ピック中に今まで取ったカードを見ない)で行うなど本番同様の取り組みがなされており、非常にハイレベルなフィールドとなっている。
2日間の開催で計7回のドラフトに参加。

 

1回目 オルゾフ(タッチ赤緑) 1-2

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1-1を《ケイヤの怒り》で開始。このカードを使ったドラフトは非常に苦手。このカードと言うよりリミテッドにおけるコントロールデッキの構築を得意としていない。前日もアリーナで同スタートから0-2したばかりだった。
結果、今ドラフトも0-2し、最後の試合を勝利して1勝を収めた。そもそもオルゾフのポジション自体が悪く、コントロール嫌いを克服したいがために固執してしまった感が否めない。本来立つべきだったであろうポジションのレアを中途半端にタッチした歪なデッキとなった。

 

2回目 ラクドス 3-0

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1-1を《騒がしいシャーマン》で始めるも、その後アゾリウスの強カードが続き数手を費やす。しかし1-6付近で青白のカードが枯れていることに気づき、緑のカードは始めから枯れていた頃から、思い切って逆側のラクドスに舵を切った。1周したパックには強力とは言えないがラクドスのカードが残っており、ポジションの良さを確認。

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2パック目では下家が《災いの歌姫、ジュディス》を引いてしまい初手の《騒乱の落とし子》と合わせてラクドスに一直線、上下被りが発生してしまうものの、3パック目の事を考え、流れてくるアゾリウスのカードは我慢しラクドスを続行。

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結果3パック目ではラクスカラーの強力なカードを入手することができた。上家は予想通りアゾリウスをドラフトしており、回避することに成功。この回のドラフトは2日間を通して非常に上手く行ったと思う。デッキもよく回ってくれて3勝。

 

3回目 グルール 3-0

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初手は《培養ドルイド》。1-2では《門破りの雄羊》と《引き裂くシャーマン》の2択から前者を。最近記事にしているように門多色にハマっている(リンク)ので、隙あらば門デッキはドラフトしたい。

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しかしこの時は上家の八十岡翔太が多色門をドラフトしており、多色系のカードの流れは好ましくなかった。その後の《猪の祟神の炎》《批判家刺殺》《激情のエイリンクス》等を受けて、素直にグルールへ。
《引き裂くシャーマン》を流した関係で下家にグルールが発生しており2パック目は弱かったが、3パック目の流れが良いことは保証されていたので最終的にはグッドデッキとなった。
《門破りの雄羊》のパワーを4に引き上げて《猪の祟神の炎》を強く打つためにギルド門を多めにピックしたため、バリューを出すために青をタッチした。デッキは非常に強く、連続3-0。

 

4回目 シミック 1-2

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リアルドラフトを30回ほど経験しているが、未だにシミックは1度もやれていない。本番に向けての経験値がほしいので、タイミングがあればプレイしてみたかった。

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1-1を《生体性改造》で始め、1-2ではパッとしないパックから《エアロホムンクルス》、1-3で《プテラマンダー》があったので、これを好機としてシミックに一直線に向かってみた結果、大失敗となった。ちなみに卓に他にシミックはおらず、単純に出が悪かっただけなのだが、それにしても酷い見た目だ。0-3すべきだったが、同じレベルで出来の悪いアゾリウスとマッチングし、勝利。他の対戦では順当に敗北して1-2。

 

5回目 ラクドス 2-1

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上家から流れてきた《ラクドスの火輪使い》を信じてラクドスへ。

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序盤のクアトロシンボルはシグナルとして非常にわかりやすく、イージーだ。グルールの《引き裂くシャーマン》のみ微妙で、人によってはコモンの《激情のエイリンクス》の方が評価が上の事もあるため完全には信用できないが、他のギルドに関しては概ね信頼して良いだろう。もちろん数手様子を見る必要はあるが、今回のドラフトではそう言った心配は無用で、満足の行くラクドスをドラフトできた。
3-0も期待できると思っていたが、渡辺雄也の操るパワフルな5色デッキに粉砕され2-1。《集団強制》が強過ぎ。《天上の赦免》と並び、S級レアカードに位置付けている。

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6回目 グルール 0-3

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これほどまでに「0-3だな」と言う見た目のデッキもなかなか見ない。赤緑なのに肉薄、また僕の経験上パンプアップスペルが6枚以上入った赤緑デッキは100%の確率で0-3する。本当に勝たない。詳しい原理は説明できないが、過去何度かあった時も必ずそうなっている。恐らく、後手時の弱さが際立つため、最大3ゲームの内1ゲームを非常に高い確率で落とし、残り1ゲームはデッキ構造の不安定さが大きく影響するためだと思われる。
1-1を《猪の祟神の炎》で始め、1-2では《エアロホムンクルス》。グルールか、シミックか。1-3が分岐点だった。《引き裂くシャーマン》と《暴れ回る裂き角》の2択で、後者を選択した。

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繰り返しになるが、シミックを体験したかった。《猪の祟神の炎》をプレイするグルールは既に過去2回ドラフトしており、共に3-0。その強さは十分理解していた。経験値を得るため、どうしてもシミックをプレイしたかった。《暴れ回る裂き角》であれば、まだその線を残せる。《猪の祟神の炎》もタッチ赤でプレイできる。そう思ってのピックだったが、結局その後シミックのカードは1枚も流れて来ず、グルールのカードが続々と押し寄せた。結局グルールをドラフトすることになり、《引き裂くシャーマン》によって下家にグルールが発生していたため返しは悪く、卓に門デッキがいたため多色土地も確保できず多色化の逃げ道すらない。
弱いカードを束ねて0-3デッキを作り、当たり前のように0-3した。強アーキタイプと名高いデッキのプレイ経験が皆無なのは惜しまれるが、時間は有限なので、もう無駄な積極性を持つのはやめようと思う。貴重なドラフト1回を無駄にしてしまうし、卓のメンバーにも迷惑を掛けてしまう。

 

7回目 アゾリウス(タッチ青赤緑) 2-1

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初手は《荒廃ワーム》。

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流れ的にはアゾリウスだったが、ブラインド状態の門多色を練習したかったので強引にこのレアの使用路線を維持した。結果デッキは散々なものだが、ブラインド状態での要領は掴めたので、見た目以上に収穫は大きい。
運良くコントロールと2度マッチングし、そのマッチに勝利して2-1となった。負けたのはラクドス。これもまた順当。

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また《大司法官の扉》を毎試合のようにサイドインしていた。除去から守りたいカードと、CIP能力で相性の良いクリーチャーが多くあり、非常にデッキと噛み合っていた。所詮サイドカードの認識でメイン採用は全く考えていなかったが、考えを改める必要がありそうだ。

 

合宿を終えて

総合成績は12勝9敗。勝率57%はメンツを考えれば上出来と言える部類だが、数回酷いドラフトをしてしまったのでその点を大いに反省したい。共通点は、卓の流れに全く関係がない「~~の経験値を得たい」と言う意志を反映させたことだ。これは練習ならではの感情だが、本番でも似たような事が発生してしまう可能性はある。
「~~は練習時成績が良かったから、極力やりたい。」
練習に裏付けされた知識を持って本番に臨むことは問題ではないが、固執してしまってはダメだ。過去2回、痛い目に合っている。プロツアー『イクサランの相克』では白黒吸血鬼を、プロツアー『ラヴニカのギルド』ではディミーアを最強アーキタイプと定義して寄せるピックを行ったが、この2つのアーキタイプが強力なことは広く周知されており、卓は混雑、共に失敗ドラフトに終わってしまった。
知識は知識に留め、出来ればラッキー程度に抑えるべきだ。本番はフラットな視線であるべきポジションをしっかりと見定めたい。
次のミシックチャンピオンシップでプロツアーランクの大会への参加は10回目になる。もう新参と言えるような立ち位置ではない。これまで培った経験を糧に、成功を掴むべき時だ。